ワイン

ヴィナイオッティマーナに行く 人間がまるくなった?Frank Cornelissen

月曜日の夜、みなさまいかがお過ごしですか?

今日はみなさまお待ちかね(待ちかねてない?)ヴィナイオッティマーナのお話を。

シチリアのエトナ山で個性的なワインをつくるあの人です。

ちょっと怖いおじさんなのかなと勝手に想像していました

Frank Cornelissenのワインを最初に飲んだのはたぶん7,8年ほど前で、ミネラルを通り越して煙たい味のするワインだったようなことをおぼろげに覚えています。

かなりインパクトのある印象だったのですが、つい去年、カジュアルラインのSusucaruを頂いてナチュラルながら飲み心地のよい味わいにその印象が大きく変わりました。

そこがやはり気になったので(つくり手ブースに集まった方々もやはりそういう感想をもたれている方が多く)質問しましたら、

「フランクも人間がまるくなってきて・・・」

みたいな話で始まって、え、通訳さんっ攻めてる!と思ったのですが、そう、コーネッリッセン氏の奥様は日本人で、この日は通訳もしつつでブースに立ってらしゃいました。

基本的にはテロワールを表現したい、という強い思いでワインをつくるなかで、やはり味わいの個性がそのままでてくることになるのですが、労働を終えて帰ってきたときに飲みたいワインの必要性も自分自身で体感的に感じてきてということでした。(まあ年をとると体力も落ちますからねとか勝手に想像w)

奥さんが日本語で喋っている中で、おい俺の悪口いうなよ的に突っ込んでくるのが笑えました。奥さんいわく彼は来年の3月には日本語が喋れるようになっているといっているらしく、それを奥さんが二人のスケジュール管理用のgoogleカレンダーに「フランクが日本語をしゃべれるようになる日」と入れているそうですw

フランク氏も気難しい感じではなく、ワインの話を気さくにしてくださる、とても感じのいい印象をうけました。(怒れるベルギー人ではなかったw)

彼のワインづくりの基盤となるもの

テロワールの話についてもう少し聞いてみると、出身がベルギーなので(そう、彼はイタリア人ではない)やはりフランスのブルゴーニュやボルドーのワインが自分の基盤にあるということでした、なのでテロワールの重要性は特に感じていて、それを表現できるのがエトナだったからそこでワイン造りを始めたということでした(ちなみにエトナに土地を買ったことを言ったらヴィナイオータの社長にはまあ、いいんじゃない、と言われたそうですw)

確かにエトナ山という火山灰の影響もあり、標高も確保できて暑い土地ながら寒暖差がしっかりあるところからシチリアはつくり手も個性派ぞろいでしょう。

ついついきいてしまった奥様とのなれそめ

ちょっとお酒もすすんだところで、ついついきいてしまった二人の出会いの経緯(おばさんだからこういうのできちゃうんですよね、はは)

奥様はIT系企業で働くかたわら、自然食品のライターをしていて、夏休みを使ってシチリアに取材に行くときに英語のできる人として紹介されたのがフランク氏だったようです。

「最初はこんな気難しいおじさん・・・」と思ったんですけどね、とおっしゃっていて、そこからどうしてどうなった的につっこむと芸能レポーターみたいになるのでやめましたが(笑)ついつい、そうですよね、ややこしさはワイン飲んだらわかります・・・とか余計な一言をいってしまったw(そして奥様笑う)

奥様はワイナリーの財務面を担当されているそうですが、経済的に大きな決断を決めてあとから言われたりするから大変なんですよね、とか、この人は100%じゃだめで120%じゃないとダメな人なんですよね、でも120%やっても死なないことをこの人から学びました・・・とか、なかなかすごい発言がさらっとでてきたw

気になるパタゴニアコラボ

この日、ブースには最近SNSで話題になったパタゴニアとのコラボワインもでていました。

最初はちょっと乗り気じゃなかったそうですが、アメリカやカナダで限定的にピクニックに持っていけるようなワインということで、スクリューキャップのものを作ったそうです。

テイスティングできたのですが、味わいもシンプルでカジュアルで自然に囲まれたところで飲むにはぴったりでした。でもけっこうコーネリッセンらしいジューシーさもあって、こういうカジュアルラインでもしっかりつくり手の個性を表現していけるところがこの人の凄いところだなと感じ入りました。ラインナップを並べたときの味わいの変化がきっちりしていてロジカルというか。この日、パタゴニアコラボも買えたのですが、あとちょっと出したらsusucaru買えると思うと、よしておきました。やはり本来の彼のワインのほうが味わい深いですからね(お花見にはぴったりでしょうが)

彼の会いたいつくり手は?

ちなみにSusucaruについても何をどれぐらい入れるかはエクセルできっちり管理されているのだとか。この辺のストイックな職人気質な印象は、セミナーでも存分に感じられました(次の日にインスタできいた)

一番印象に残ったのは、会いたいつくり手を問われると、彼が若いつくり手に出会うことで、自分が思いつかなかったような発想に出会える可能性があるといっていたところ。

もうある程度の高みに達した人がアグレッシヴに変化することを本気で考えるとこうなるんだなと思いました。次の展開がとても楽しみです。

それではみなさまも素敵なワインとの時間を

ではまた