ワイン

ヴィナイオッティマーナに行く Occhipinti

月曜日の夜、みなさまいかがお過ごしですか?

わたしは2週間連続でヴィナイオッティマーナに参加するという幸運に恵まれました。(そして張り切りすぎて疲労感濃い月曜日も2回目)

さて、今日はその中で出会った印象的なつくり手さんのお話しを…

シチリアを代表するつくり手Occhipinti

シチリアは個性的なつくり手の多い地域だと思うのですが、美人の女性醸造家ということでも注目を集めがちな存在のようです。確かに、典型的な彫りの深い目鼻立ちのくっきりした地中海美人のアリアンナさん。

若いころからいろいろと注目を集めた生産者さんのようですが(そこはヴィナイオータの生産者紹介を参照あれ)まあ、今回はそれは置いておいて、ワインと彼女の考え方にフォーカスして話したいと思います。

力強いのに透明感のあるワイン

ヴィナイオッティマーナという生産者に出会えてワインと美味しいお食事がいただけるという、ワインオタクには天国でしかないw祭りは朝10時頃スタートします。

なので、朝イチからワインをいただけるわけですが、この日のスタートがOcchipintiのワインでした。

わたしは送迎バスを逃してしまったので会場まで30分ほど歩いてきており、身体があたたまっているところに飲んだ彼女のワインの透明感のある酸の力に、背筋がシャキッ(笑)

主にフラッパートとネッロターヴォラでつくられたワインが多いのですが、どれも果実の印象がとてもチャーミングで美しく、そこにさらに清い感じの酸が引き締めている構成だった印象です。そのメリハリのきいた構成があるなかで、自然派のワイン特有の繊細な果実の皮のニュアンスやハーブのような青い香り、熟成年数を重ねたものはその味わいなどが揺らめくように多彩に見え隠れして、とても魅惑的。

今回、はじめてこのつくり手さんのパッシート(天日干ししたブドウでつくる甘口ワイン)をいただいたのですが、そのフレッシュな味わいに驚きました。

通常パッシートというと、味と甘さが凝縮して魅惑的な分、ブドウの繊細な苦さや青さが塗りつぶされてしまった感があるのですが、この彼女のパッシートはそのブドウの繊細なニュアンスがしっかり残っていて、ブドウの皮の苦みやハーブのような青さ、スパイスのニュアンスが感じられる、どこか野性味のある特徴的。

甘いだけではない、骨のある味わいは彼女のワインの在り方を雄弁に語っているようでもありましたね。

ちなみに食事の時間に、今回来日できなかったマッサヴェッキアのワインを特別に提供していただきました。彼女のそばにいたので、マッサヴェッキアについてつくり手としてどう思う?ときいてみましたが、
「おいしいわよ(Buono)」とさっぱり回答いただきました。
なんかこう、竹を割ったような性格の方なんだなとw

生物のコミュニティの中でおこなうワインづくり

後半に彼女のセミナーがありましたが、質問にこたえていく中で自然のコミュニティの中でワインをつくることの重要性を熱心に語る彼女がとても印象的でした。

生物多様性を実現するために、オリーブや柑橘、ハチミツ小麦なども、ワインよりずっと利益率が低いにもかかわらず作っているという話でした。こういう考え方をする自然派ワインのつくり手さんはとてもたくさんいる印象です。彼女の場合はそれが自家消費だけでなく、販売できるぐらいの量を生産しているところに本気度を感じました。(会場となったヴィナイオータの食堂に併設されているショップでも販売されていた)

自然派ワインを飲んでいると、不思議とそういうつくり手の感覚が身体の中に入ってくるような気がすることがあります。彼らや彼女たちのバックグラウンドとなる考え方をより知ることで、普段考えもしないような感覚を味わえるのはわたしだけでしょうか。

最近ワインが与えてくれるものは、香りや味、そして酔いだけではないと思っています。考え方や感覚などに染みこんでいくような。よく自然派ワインを飲むときの感覚が身体に染みこんでいくという言葉を耳にしますが、そのようにしてつくり手の考えや感情も入っていくのかもしれません。

さて、ちょい話があちらの世界に行きそうになりましたが、また次のつくり手さんとのお話ができるといいな。。。(今週は特に忙しい泣)

それではみなさまもワインとの素敵な時間を

ではまた