木曜日の夜、みなさまいかがお過ごしですか?
わたしゃ今週、仕事で忙しい時期なのですが、このつくり手さんはどうしても書きたかったので隙間時間にちまちま書いておりました。
先週のヴィナイオッティマーナで、印象的だったil maiolo。じつはこのつくり手さんは去年ぐらいからずっと飲んでいて、しかも今回初リリースした白はもうすでに2本飲んでいたw
だって、とっても美味しくてコスパがよいから。たぶんもう白は個人的に今年度のコスパ大賞かなというところです(1月にしてすでに決まってしまったw)
そのコスパ最強の理由と、実際出会ったつくり手さんの印象などを中心にお話したいと思います。
今回のつくり手さんの中では「まったり味」
今回ヴィナイオータに参加していたつくり手さんは、
Arianna Occhipinti
Colle Florido
Il Maiolo
Il Cavallino
Arianna Occhipinti以外はまだ若手に分類されるようなつくり手さんなので、しっかり熟成感のあるワインはラインナップになく、Arianna Occhipintiは熟成されていてもしゃっきりした酸やフレッシュさを失わない持ち味。
ということで、他の3ブースまわったところでフレッシュ感のあるワインばかりで飲み疲れた感あったときに、いただいたil Maioloはひたすら美味しかったです。身に染みたw
白以外の赤ワインはすべて長期熟成のもの一番新しいヴィンテージでも2009。その分果実味も酸もこなれてきて、口に含んだときの滑らかでやさしい感じがなんとも落ち着きます。
ワインは長期熟成の価値が味わいにダイレクトに反映されるのですが、価格にも直撃する方式で、(長期にワイナリーやインポータが寝かせたりするとそれだけ現金が入ってくるのが遅くなるので)それだけ高くなるわけですが、これはなんとお値段3500円ほど。
なんでこんなにお手頃価格なのですか、と質問してみる
まあ、ワインの作り方に対する考え方も興味深かったのですが、この驚異的な値付けが気になりすぎていたので、いきなりつくり手さんにきいてしまいました。帰ってきた返答は
「値付けはインポーターとよく話して決めているよ。一番はみんなに知ってもらいたいからかな」
そういって、さて、写真とらない?みないな感じでフランクに写真をとっていただき、写真に写るワインも選定していただき(こだわりがあるようですw)写真とったらこのメールに連絡してね、みたいな感じでちゃきちゃき対応し、いろんな人にサインをする時もサインの内容を他人ごとに変えたりして、なんだかとっても素早いというか、活動的な感じの方でした(弁護士というお仕事と二足の草鞋だそうなので、めちゃくちゃ忙しい方なのでしょう)
価格の理由はさらっと教えていただいて納得したのですが、その背景はもう少しいろいろあったようです・・・
コスパの秘密はさらに
ヴィオッティマーナは1ピリオド2日の開催になり、つくり手セミナーも日によってつくり手が変わります。わたしが参加した日には彼のセミナーをきけなかったのですが、次の日の彼のセミナーでインスタライブがあって、アーカイブをとおしてきくことができました。
その中でもワインの衝撃コスパは話題にでてきておりまして、前述したとおりに弁護士という仕事と両立していたので、その時はそちらが忙しく(今はワインを主軸においているそうですが)ワインをつくっても、まったくセールスにさける時間がなかったそうです。他の仕事があるので、ワインを売らなくても生活には困らなかったのでしょう。
そしてワイン自体にも、彼の納得するブドウと土地本来の味わいを表現するには熟成がどうしても必要だったという側面もあるそうです。
また、インポーターとお話したときに、やっぱり自分で始めた個人経営のワインナリーということで無名でもあるので、皆にひろく手に取ってもらうには価格をおさえたほうがいいみたいな話もあったそうです。
そしてヴィナイオータさんが大量にワインを買い取った背景もありそこのディスカウントもきいて(太田社長ありがとうw)さらに、ということでした。
ワインづくりと家族への思い
そのあと彼のプライベートに話題が移ったのですが、その時の話をきいておひるごはんを食べながら涙ぐんでしまいました・・・
彼は奥様と結婚されたのが最近のようですが、その奥様とはどこで出会ったの的な話の流れで、ちょっと涙ぐんできたフランチェスコさん。
なんでそこで涙?みたいな話をインタビュアーのヴィナイオータの社長さんが補足してくださいました。
フランチェスコのヴィンテージの中に、かけたものがある。それはなぜ?
という問いでしたが、それは彼のお母さんの看護にあたっていたということでした。
ワインづくりという仕事は重労働で、繁忙期が来ると一日中が仕事になるそうです。そのために身の回りの仕事を誰かにやってもらって、家族一丸となってあたらないと成り立たない(特に小規模の個人経営のワイナリーは)中で、彼を経済的にも精神的にも、最初支えてくれたのはお母さんだということでした。
そのお母さんが病に伏して看病にあたって、3~4年はブドウをワインにできなくてそのまま売っていたそうです。なのでヴィンテージに欠けができたそうです。
今では新しい家族ができて、ワインづくりをできるようになったことに対する、それまでの大変だった記憶と家族への感謝の思いでの涙なのでしょう。
ワインをめぐるいろいろ
今回3回ヴィナイオッティマーナに参加することで、たくさんのつくり手さんにお会いしてそのお話を聴くことができましたが、ワインの背景にはものすごくたくさんの要素が営業されていることに感じ入りました。
ブドウを形成する土地やつくり方もそうなんですが、そのつくり手さんの考え方をつくる人生のいろいろな体験が如実に反映されて一つのワイン(香り、味、色はもちろん、ラベルや価格など)が形づくられているのだなと。
それを知ることで、自分自身がワインと触れる時間もより充実したものになったような気がしました。
それではみなさまもワインとの素敵な時間を
ではまた