ワイン

並べて飲んでみた、サルディーニャの自然派の巨人パーネヴィーノ

こんばんは。久しぶりにお天気が崩れた日曜日の夜、みなさまはいかがお過ごしですか?

わたしはいつも通りに近所のイタリアンでランチをして、息子と遊んで料理を作りながら少しワインを飲んでといういつもの日曜日を過ごすことができました。

まだ息子が小さくて手がかかるのですが、こういう平和な日曜日ってとっても大切だなと思います。

そしてたまにスペシャルな経験を挟んでいくのが好きです。今回はワイン好きにとってはスペシャルなイベント、ワイン会にいってきました。

今回はその中でも、ワイン会での個人的なワインのアプローチのしかたと、それを通して見えてきたパーネヴィーノという作り手の感触みたいなものをお話したいと思います。

ワイン会の中でもお勉強的な感じが好き

そもそもワイン会とは・・・みたいなところがありますが、今回参加したのは、ワインショップ「エッセンティア」さん主催のものです。

東横線の学芸大駅前に自然派ワインをイタリア中心に揃え、かつオーガニック食材や日本海の魚介を扱う個性的なお店です。定期的にワイン会を開催されるのですが、とても個性的で素晴らしいアプローチをされるので毎回そのラインナップを見るだけも勉強になる感じです。

ワインの解説を聞きながら、少人数で1時間のなかで8~10種類のワインを20ml味わうスタイルです。おしゃべりしながらお食事とワインを楽しむような優雅な感じではなく、お勉強スタイルですね。短時間で詰め込める感があるので、テーマとなる課題を短時間で把握できる点ではとても素晴らしいと思います。特筆すべきはラディコングラスでいただけることでしょうか。ふっくらした形のワイングラスで香りをしっかり楽しむことができます。

Panevinoとは

今回テーマとなるつくり手さんはPanevino(パーネヴィーノ)です。サルディーニャのつくり手さんで、徹底して薬剤を使わず、ブドウの木本来の力でワインをつくっていくという、ガチな「自然派」の作り手さんで、自然派ワインは北にカリスマが多い中で、南でカルト的な人気を確立しているつくり手さんの一人だと個人的に捉えています。

イタリアラディコンとかカーゼ・コリーニとかマッサヴェッキアとかのワイン会ならけっこう人を集められる感じがするのですが、このPanevinoでワイン会をやるというところに個人的に非常に惹かれたポイントです。

並べて飲むからこそわかるつくり手の個性

美術では、常々気に入った作家の個展があると、どんなに遠くても必ず足を運びたくなりますが、それはその作家の個性を確実に把握できるからです。特に美術展は通常は若いころから場晩年の作品、どこから影響をうけたか、同時代の作家への対外の影響関係が読み取れるように構成されていますので、多面的にその作家をとらえることができます。

ワインも一緒で、数種類飲んでみると共通してそのつくり手さんの個性をとらえることができるかと。ワインの場合はなかなか並べて飲むのが難しいのですが、チャンスを作って一回やるとそのつくり手の理解が水平方向にも垂直方向にも広がるので、他のつくり手の理解につながると思っています。

Panevinoというつくり手さんの感触

よい意味でも悪い意味でも芸術家なのではないかと思います。

多様な品種をブレンドを変えて次々に出すところに知的好奇心の旺盛さと直感勝負でとことん勝ち抜いてしまうような印象です。

作り方からして一切を自然にゆだねるのでぶどうの生産量に安定感がなくて商売的に成り立つか不安定で、かつ扱う方もどんな感じで味わがでるのか予想がつかなくて、かつ自然な作り方からの不安定さがある(あけるとすぐ豆とか、ボトルがふくとか)それでも人を魅了する何かがある、ついてきたくなるつくり手さんなのかなと思いました。

それでもついていきたくなる魅力とはなんなのかというと、予測のつかなさの不安定なところに乗せられても、それに応じた魅力を返してくれるところにあるのではないでしょうか。

わたしの場合は、カンノナウやグルナッシュという肉厚で果実味の強い、作り方によっては単調に感じてしまうブドウ品種がいろんな顔を見せてくれるところに本当に魅了されました。そして土着品種の良さをあの手この手で演出してくれるのにいちいち驚きと発見が。

扱う方も、飲む方もなかなか苦労する感じのつくり手さんなので、個人的には積極的に追おうとは思いませんが(これ以上ほかの沼にはまりたくないwそしてうちの晩ごはんにはあわないことが多いと思う)、どこかのお店で見つけたら、必ず一杯飲んでみたいと思います。(そうして少しでもお店の方の苦労に報いたい気もする)

それではみなさまもワインとの素敵な時間を

ではまた

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今回のラインナップ

1,メイガンマ/ビアンコ・セコンド2017[白]

2,パーネヴィーノ/アルヴァス2017[オレンジ]

3,パーネヴィーノ/バルバッドース2019[赤]

4,パーネヴィーノ/セヌッシ2019[赤]

5,パーネヴィーノ/タンカ・サリーナ2019[赤]

6,パーネヴィーノ/ボジェ・クロジェ(L.RT1)2019[赤]

7,パーネヴィーノ/フォリナー2019[赤]

8,パントム/メルロ・グリージョ2019[赤]

9,パーネヴィーノ/ブカンティ2020[微泡ロゼ]

10,メイガンマ/ロッソ・プリモ2017[赤]