こんばんは。11月最初の秋深まる金曜日の夜、みなさまはいかがお過ごしでしたか?
今晩は先日におとずれた、吉祥寺の井の頭公園にあるイタリアワイン阿部さんにおじゃましたお話をしたいと思います。
ここ10年ぐらいは自然派ワインを中心に飲んでいるんですけれども、自然派にこだわっていると味わえない広大な世界がひろがっていることを、このお店にお邪魔するたびに痛感させられます。
ワインバーというより、大人のおもちゃ研究室という雰囲気
イタリアワインバーというと、クラッシックな木調のナチュラルなインテリア、およびモダン系のコンクリート打ちっぱなしいずれかに類されるような気がしているのですが、どこにもあてはまらない、サブカル居酒屋みたいな雰囲気のお店です。
白衣っぽい白い装いの店主が、コラヴァン(糸鋸みたいなワインを新鮮に飲むためのガジェット)やらコーヒードリッパーやらメスシリンダーなどを使ってワインをサーブしてくださるプレゼンテーションは独特すぎて気圧されます。
ワインの説明もベーシックなところをおさえつつ、アニメや映画などサブカル領域を多用する比喩の豊富さは他の追随を許さない感じで、とにかく既存のワインバーやソムリエの概念をかたっぱしから覆してくるような感じです。
どんな要望にも応えてもらえるプロフェッショナルさ
グラスでいただけるワインが10数種類リストされているのですが、今の気分や好きなワインをざっくり伝えるだけで、飲むアレンジをしてもらえます。
「さっぱりしたフルーティーなワインがすきなんですよね」みたいなゆるふわオーダーから、
「最近ピエモンテに沼ってるんで、ちょっとそのへんで珍しいものを飲ましてください」みたいなオタク系オーダーまで、ちゃんとこたえてくださる安定感。
で、わたしのオーダーはもちろん後者のほうなのですが(ほんとうにピエモンテ沼から脱出できないyo)
また、飲食店関係者の方々は、はたからきいてたらなんのことかわからないオーダーをされますが、彼らを唸らすようなセレクトがなされているのを数回ほど拝見いたしました。
でてくるワインがいちいち素晴らしいのですよね。。。
ネッビオーロの深さを知ったワイン3種
最初はTraversaのI Confini2007
ネッビオーロのワインですが、いままでこの品種を飲んできた印象とはまったくちがう、土臭くて青臭い(野菜のような)感じです。すこし口当たりがごそごそしていますが、その素朴感に魅力があります。お店で独自に寝かされていたとのことで、ここだけでしか味わえないワインですね。
二番目にいただいたのが、なんと写真を忘れてしまって詳細不明なのですが、ハーブのような香りが印象深い、ネッビオーロ。飲みごちもやさしくて、のびやかで、優しい感じでした。
ネッビオーロは少しとっつきにくさもある品種だなと思っていたのですが、それがなくて、親しみやすい感じです。
3番目にいただいたのはAurelio SettimoのBarolo2014。
ちいさいワイナリーながら、バローロの伝統的な作り方を守るつくり手さんとのこと。重厚で、パワフルで思い描くようなネッビオーロの味わいでした。
近しい地域でも、つくり手によってまったく異なる味わいをみせるネッビオーロの良さを体感できた、とてもよい経験でした。
ワインをあけては飲んでを繰り返す毎日ですが、自分のセレクトや気に入ったお店に通うだけでは、幅が広がらない気がしています。
そういう時に少し視野を広げてもらいたいと思うにはぴったりなお店でした。
それにしても、最後のほうは、補習をやってくれる先生と出来の悪い生徒みたいになってたな・・・w
ではみさなさまも素敵なワインとの時間を
ではでは。